2014-11

    ヤバい学問(=計量〇〇学)はデータジャーナリズムの宝庫

    突然ですが「ヤバい経済学」ってみなさんご存知ですか?最近これとデータジャーナリズムを関連づけたツイートを見かけました。











    『ヤバい経済学』とはなんぞや!


    本の名前ですね。
    アメリカの経済学者が書いた本です。統計データの不自然な傾向を見いだすことで、世の中の様々な不正を暴き出しています。相撲の八百長や、学校の先生が勝手に生徒の点数を水増ししている事例など、様々なテーマにおよびます。
    経済学の本と言っても難しい学術論文ではありません。興味をひくような文章でとても読みやすいです。データ分析から意外な事実を暴き出すというアイデアの参考になる本じゃないかなと思います。とても話題になった本で、続編が出たり映画化されたりもしました。映画も面白そうですね。



    そしてこれを書きながら「ヤバい政治学」という連載を思い出したので、これも紹介します。
    ヤバい政治学 データで分かる政治のウラ表:日経ビジネスオンライン

    アンチ政局報道とも言いますか、政治学者の方たちがデータから政治を見るというコラムです。ちょうど2年ほどまえに日経ビジネスオンラインで連載されていたシリーズです。当時はいまほどデータジャーナリズムという言葉は広く認識されていませんでしたが、これも近い領域ではないかと思います。仮に分析を記者が行うのは難しくても、こういう政治学者の方たちと協力して報道ができればいいのにと思います。

    ヤバい経済学や、ヤバい政治学は、学問の世界の言葉で言えば計量経済学や、計量政治学のことです。学問の世界にはまだまだデータジャーナリズムのネタが転がっているかもしれませんね。


    データジャーナリズムMOOCモジュール1:もうひとりじゃない。数千のクラスメイトと学ぶ

    データジャーナリズムの大規模公開オンライン講座(通称MOOC)「Doing Journalism with Data」の第一週目が終わった。最初の週である第1モジュールの講師はサイモン・ロジャースさん。
    Simon Rogers pic

    英紙ガーディアンのウェブサイトで「データブログ」を立ち上げ、現在は米ツイッター社でデータ・エディターとして活躍されている。

    孤独なあなたへのエール

    オンライン講座が始まり、サイモンさんから受講生へのメッセージが届いた。
    「データジャーナリズムMOOCへようこそ。もしかしたら皆さんはデータジャーナリズムを学びたいと思いながらひどく孤独な思いをされていたかもしれません。けれどもあなたは今、何千もの受講生のひとりとして、報道に関するこの刺激的な領域の基本的な技術について学ぼうとしています。私はデータジャーナリズムの基礎へと導く最初のモジュールを担当できて光栄です」

    胸が高鳴るエールだった。たしかにぼくもこれまで仲間を得られず残念な思いをすることが多かった。データジャーナリズムに興味があると人に話しても、相手はデータジャーナリズムを知らなかったり、なんとなく知っていても懐疑的な姿勢の人が多く、一緒に学べる人は少なかった。ジャーナリズム大学院の先生でさえデータジャーナリズムはよくわからないという人が多いのが悲しくも現状。この講座は正確な数こそ分からないものの数千もの人が受講している。大勢の仲間と豪華な講師陣から学べるこの環境は本当に嬉しい。

    モジュール1「ニューズルームのデータジャーナリズム」の大まかな内容は次の通り。
    セクション1:データジャーナリズムとは何か
    セクション2:データジャーナリズム・チームの構成
    セクション3:数字をストーリーに変える
    セクション4:データジャーナリズムのビジネスモデル

    ひとつのモジュールは4つのセクションに分かれていて、各セクションには約15分の講義ビデオと、内容確認クイズ、そしてディスカッションのページが設けられている。
    いくつか印象に残ったポイントを各セクションから取り上げつつ復習してみたい。

    100人100通りのデータジャーナリズム

    そもそもデータジャーナリズムとは何か。
    what is data journalism Simon Rogers
    個人的にはデータを使ったジャーナリズムという緩い認識で問題ないと思う。ただし、データジャーナリズムがよく注目されるのは、数字(量的データ)を分析することと、その新しい表現方法だろう。サイモンさんの定義を聞く前にひとつ具体例を紹介する。

    2011年夏、イギリスで数々の暴動が起こった。犯罪が蔓延しており、政治家は若者のモラル低下が原因なのではないかと見ていた。しかし、英紙ガーディアンはこれに異を唱えた。犯罪が起こるのは、そこに暮らす人々が貧しい環境にあるからではないかと考えたのだ。そこでガーディアンはデータをジャーナリズムに応用した。

    まず暴動が起こった場所を調べ地図にマークをつけた。次に地域ごとの貧困率に関するデータを調べ、貧しさに応じて色を変えて地図を塗り分けた。そこで浮かび上がったのは、貧しい地域ほど暴動が起きているということだった。政治家はかたくなに「貧困は暴動に関係ない」と主張したが、ガーディアンは暴動発生例や貧困といったデータを分析し、それら二つのデータを地図上にビジュアライズすることで、貧困地域で暴動が起きていることを暴いたのだった。そしてこのプロジェクトに関わったジャーナリストのひとりが、何を隠そうサイモン・ロジャースさんだった。
    riot ddj guardian
    画像:England riots: was poverty a factor? | News | theguardian.comより
    このデータジャーナリズムの記事についてはこちらに詳しい。

    これはデータジャーナリズムの先駆的な事例だが、その後たくさんのデータジャーナリズムの作品が生まれた。そのため、サイモンさんによれば100人のデータジャーナリストにその定義について尋ねれば100通りの答えが返ってくるという。共通の答えはないと前置きしつつも、3つのポイントを教えてくれた。
    ・数字を使ってストーリーを伝えること
    ・そのストーリーを伝える上でおそらく最良の方法であること
    ・技術は常に変わっているということ

    まずストーリーを伝えることが最大の目的。あくまでその目的が第一で、その手段としては、必ずしも文章のみに頼らず最良の表現方法を求めること。ストーリーにデータを伴うとき、その手段は表やマッピングかもしれないし、そうではないかもしれない。
    ぼくはこの定義がとても気に入っている。これまでデータジャーナリズムと呼ばれる様々な作品を見てきた身からすると、サイモンさんの3つの条件は懐の深い、広い定義でしっくりくる。

    またデータジャーナリズムそのものは昔からあるというのが、今週のポイントのひとつでもあった。その話ともこの定義はかみ合う。ちなみにデータジャーナリズムの歴史を振り返るときによく言及されるのが、19世紀に活躍したフローレンス・ナイチンゲールの話だが、今回の講義では異なる事例に言及しており興味深かった。
    また多様なデータジャーナリズムを5つに分類して紹介してくれた。この記事の最後にその分類と関連リンクを載せておく。

    データジャーナリズムとは友だちをつくること

    サイモンさんによると、実際の現場ではデータジャーナリズムはひとりでも出来るし、チームを組んで行うこともあるという。
    ddj team types
    チームの規模は様々だが、大事なのはチームの大きさではない、とサイモンさんは強調する。大切なのは数字をストーリーにするプロセス(過程)だ。データジャーナリズムは友だちを作ること。サイモンさんは協力してくれる仲間は探せば見つかると訴える。

    ディスカッションの議題は、ひとりでやることと、チームを組むことの利点は何かということだった。日本でもすでに議論されているポイントだと思うので関連記事を紹介する。
    データジャーナリズム、チームで進めるのが「王道」(JCEJ赤倉優蔵)
    一人でできる「データジャーナリズム」読者が話題にしたくなるようなコンテンツを作る(伊藤大地:データジャーナリスト・インタビュー)

    データジャーナリズムの手順

    ニュースの書き方は、逆三角形で書くというのが伝統的な習慣だ。
    「伝統的な逆三角形」
    inverted pyramid traditional
    重要な情報から先に書き、付随する具体的な情報を後から付け足していく。業界関係者であればなじみのある書き方のセオリーかもしれない。

    この逆三角形をデータジャーナリズムに置き換えるとどうなるかを考えたのがポール・ブラッドショウ氏。彼はこの講座の第2モジュールの講師だ。サイモンさんはポールさんが考えたデータジャーナリズムの逆三角形を紹介しながらデータジャーナリズムの手順について説明した。
    「データジャーナリズムの逆三角形」
    inverted pyramid ddj paul
    データジャーナリズムの始まり方は二通りある。
    1:データが必要な問題がある。
    2:問いかけられることを必要としたデータセットがある。
    どちらにせよデータを編集するところから始めなければならない。これをどう編集するかが、データジャーナリズムでは極めて重要になる。より詳細が気になる方は参考リンクのポールさんのブログをぜひご覧になってほしい。

    参考リンク
    The inverted pyramid of data journalism | Online Journalism Blog
    Guardian data journalism workflow

    良いジャーナリズムとは良いビジネス

    「報道機関はビジネスだ」
    あまりにはっきり言うので少しドッキリしたが僕も基本的にサイモンさんに同意だ。どんなに高邁な精神、崇高な目的があろうとも、組織として存続するためにはお金を生まなければならない。ではどのようにして、データジャーナリズムは金銭的な価値を生むのか。しかし、何もゼロから考えなくても、報道機関は長い歴史のなかでデータを商品にしてきた。ブルームバーグ、トムソン・ロイター、エコノミストなどが好例だ。
    参考:Business Models for Data Journalism - The Data Journalism Handbook
    ディスカッションでは、どのようなデータからお金を生むことができるか多くの議論が交わされている。

    データジャーナリズムの導入編の最後にビジネスモデルについて言及があったのは非常に興味深い。実践するだけでなく、それを組織の存続、報道の存続にどう役立てることができるかを考えなければならない。
    かつてMITラボ所長の伊藤穣一さんが「ビジネスモデルを理解することと、ビジネスに迎合することは異なる」と言った話を思い出した。経営と編集の分離というお題目のもとネット時代への対応を怠ってきた古い体質のジャーナリストやメディアを批判したという(菅谷明子「ジャーナリズム界のリーダーを育成する、ハーバード大学ニーマンフェローに参加して考えたこと」より)。

    圧倒されるほどのコメント

    週が明けてサイモンさんからメッセージが届き、第1モジュールはひとまず終わりを迎えた。
    「熱心に勉強してくれてありがとうございました。素晴らしいコミュニティで、皆さんのコメントを読むことで信じられないほどパワフルな経験をしました。この一週間で学んだことはデータジャーナリズムの基礎です。これからは学んだ概念を実践に移すテクニックについて具体的に見ていきましょう」
    世界中から受講生が集まり、圧倒されるような数のコメントとともにオンライン講座が始まった。しかし、まだまだ序の口にすぎない。これからの講義も楽しみだ。

    一週間が経ちましたが第1モジュールの内容はまだ受講できます。6月30日までは講師たちとともに議論をすることができ、コースの教材は7月31日までアクセス可能です。コースが始まった今でも受講登録は出来るので、まだまだ追いつくこともできます。
    データジャーナリズムMOOC「Doing Journalism with Data: First Steps, Tools and Skills」の登録はこちらから

    日本語学習者向けのFacebookグループもあります。データジャーナリズムの勉強をしたい方はぜひご参加ください。

    参考リンク・文献

    データジャーナリズム5つの類型
    1. 単純な事実の提示
    Le pariteur, a questionnaire to compare contrast between men and women (WeDoData)
    Find My School, public information about local schools (Twaweza)
    2. データに基づいたニュース・ストーリー
    Where Do Your Members of Congress Stand on SOPA and PIPA? (ProPublica)
    US Election results 2012 interactive visualisation (Associated Press)
    3. ストーリーを語る地域データ
    Welsh children in care (Wales Online)
    Washington DC income gap (DC Action for Children)
    4. 分析とバックグラウンド
    Ethics Explorer, A guide to the Financial Interests of Elected Officials (Texas Tribune)
    'Network of scandals' (Editora Abril)
    5. 深い調査報道
    Argentina's senate expenses (La Nacion)
    Datablog on Wikileaks and data journalism (The Guardian)

    その他のデータジャーナリズムの類型に関する参考リンク
    津田大介公式サイト | データジャーナリズム入門
    立薗理彦さんの解説、手法に基づいて4つに分類されている)
    データジャーナリズムリンク集 朝日新聞
    古田大輔記者によって6つに分類されている)

    関連記事
    世界のトップスターたちが教えるデータジャーナリズム講座が始まった
    【要保存】データジャーナリズム リンク集

    参考文献
    ◎サイモン・ロジャース著「Facts are Sacred」


    世界のトップスターたちが教えるデータジャーナリズム講座が始まった

    5月19日からデータジャーナリズムを学べる無料オンライン講座Doing Journalism with Data が始まりました。
    Doing_Journalism_with_Data_teachers.jpeg
    画像:datajournalismcourse.netと上記オンライン講座ウェブページの講師の写真より

    最近話題になることが多くなったデータジャーナリズム。先日、MITメディアラボ所長の伊藤穰一氏が具体例を挙げながらデータジャーナリズムについて詳細に語ったこともあり注目を浴びています(伊藤氏の講演詳細はこちら)。
    しかし、日本ではデータジャーナリズムはまだまだ始まったばかり。メディア関係者にとっては興味があっても自分たちの仕事の現場でどう実践するかについてはまだ手探りの段階といったところではないでしょうか。そんな方たちに朗報なのが、5週間にわたって行われるこのオンライン講座。

    この講座の使用言語は基本的に英語ですが、講義の動画には他言語の字幕が用意されており日本語字幕もあります(つたない翻訳ですが筆者が日本語字幕を制作しております)。また日本人の学習グループをFacebookで作りましたので興味のある方はぜひご参加ください。

    このオンライン講座の主催は非営利団体のヨーロッパ・ジャーナリズムセンター。これまで精力的にデータジャーナリズムの促進を担ってきた団体です。データジャーナリズムの教科書「データジャーナリズム・ハンドブック」もこの団体とオープンナレッジファンデーションを中心にまとめられました。

    全5週間におよぶこのコース。1週間ごとに異なる講師から、データジャーナリズムにおける重要な概念や、報道の現場での実践方法を学ぶことができます。講師陣はいずれもこの分野で有名な専門家たちです。

    第1週を担当するのはサイモン・ロジャース氏。現在米ツイッター社でデータエディターを務め、以前は英紙ガーディアンで働き「データブログ」を立ち上げたデータジャーナリズムの第一人者です。そもそもデータジャーナリズムとは何か、どのような手順で進められるものなのか。豊富な実践経験を活かしてその知見を伝えてくれます。彼の口からデータジャーナリズムに関する格言が次々と出てきます。

    第2週の講師は、イギリスのバーミンガムシティ大学でデータジャーナリズム教育に携わるポール・ブラッドショウ氏。データジャーナリズム実践のための本も多数書いています。以前彼の大学に訪れデータジャーナリズムについて話を伺ったことがあるのですが、「データジャーナリズムはジャーナリズムでなければならない」と小手先の技術にとらわれずジャーナリズムの根幹を見失わないよう語ってくれたことをよく覚えています。忙しい合間をぬって学生の相談に乗ってくれる良きジャーナリズム教育者です。このコースではデータの探し方について教えてくれます。

    books simon and paul
    写真:左はサイモン・ロジャース著「Facts are Sacred」、右はポール・ブラッドショウ著「The Online Journalism Handbook」

    第3週は、ピューリッツァー賞の受賞歴があるスティーブ・ドイグ氏。アリゾナ州立大学の教授です。ハリケーンの家屋被害の傾向からずさんな建築習慣の問題を指摘した”What Went Wrong”で1993年にピュリツァー賞を受賞されました。彼は表計算ソフトの扱いを多くのジャーナリストに教えており、今回も数学におびえる文系ジャーナリストたちに統計の手ほどきをしてくれます。

    第4週は、ニコラス・カイザーブリル氏が乱雑なデータの扱い方について教えてくれます。彼はデータジャーナリズム・ウェブサイト「Journalism++」を運営しています。このサイトは最近リニューアルされたばかり。彼はパソコンでデータを処理する際のテクニックを教えてくれます。この分野をジャーナリズムの文脈から学べる機会は希少ではないでしょうか。

    最後の第5週は、デザイン・ビジュアルについて。アルベルト・カイロ氏(マイアミ大学コミュニケーションスクール講師)が担当。インフォグラフィクスやインタラクティブなデータビジュアライゼーションについて学べます。アルベルトさんはこれまで、テキサス大学ナイトセンターが主催したデータジャーナリズムMOOC(大規模公開オンライン講座)でも同様の講義を担当されてこられました。個人的な印象では分かりやすい英語をしゃべる方で、国際的な環境の中における教育に慣れていらっしゃる方だと思いました。ブログ「The Functional Art」も面白いです。

    最初の1週間が終わろうとしていますが、まだ受講登録できます(こちらからどうぞ)。

    また冒頭や過去記事にも書きましたが、私はこのオンライン講座の日本語字幕を制作しています。現在第1週の動画は、日本語字幕付きでご覧になれます。データジャーナリズムの教材や学習機会の多くは英語で提供されますが、今回は稚拙ながらも日本語の字幕とともに学ぶことができます。

    第2週以降の字幕も、新たな翻訳協力者を得て鋭意製作中です。もし日本語字幕の制作に協力してくださる方がいらっしゃいましたら、私のメールアドレスakira.oda.1031あっとgmail(あっとを”@“に置き換えてください)にご連絡いただけますと幸いです。

    また日本語で勉強するためのFacebookグループも作りました。第1週の講師であるサイモンさんがおっしゃっているのですが、データジャーナリズムは「友だちをつくること」でもあります。ひとりでも実践は出来ますが、様々な専門能力をもつ仲間をつくることでより多様なデータジャーナリズムを行えます。ぜひこういった機会を利用して仲間を増やしましょう。
    ddj basic mooc certificate pic
    画像:昨年ナイトセンターが開いたデータジャーナリズムMOOCを受講した際の修了書。このときも日本語学習者のFacebookグループで他の受講生と共に学んだ。

    また、英語でのディスカッションでは日本の文脈について言及するのが難しくもあります。個人の英語力にも左右されますし、日本語で書かれた具体例について言及しても議論が発展しにくいという問題もあります。日本人どうしで議論できる場を設けたいと思いました。

    このオンライン講座は修了すると証書をもらうことができます。その条件は最終試験で70%以上の得点をとること。一緒に学んで修了書の取得を目指しませんか?


    関連記事
    【要保存】データジャーナリズム リンク集
    ジャーナリズムをネットで学ぶ時代がきた #MOOC #ijf14

    関連リンク(外部)
    ピュリツァー受賞者らが手ほどきするデータジャーナリズム講座(新聞紙学的)


    キヤノンのレンズ生産本数1億はどう考えても少なすぎる

    これは事件です。

    すこし前のニュースですが、キヤノンの交換レンズの累計生産本数が1億本に達したそうです。

    Canon ニュースリリース:カメラ用交換レンズ累計生産本数1億本を世界で初めて達成
    (2014年4月30日)

    Canon 100million
    画像:上記ニュースリリースページより

    でも事件はね、その1億というレンズそのものの数字じゃないんですよ。

    “2014年2月には、レンズ交換式カメラであるEOSシリーズのフィルムカメラとデジタルカメラをあわせた累計生産台数が7,000万台を超えました。”

    (同ウェブページより引用)

    レンズ交換式カメラ7000万台!

    なんてこったい。

    これはおかしい。おかしいよ。

    つじつまが合わない。

    カメラ一台あたりのレンズ本数を計算すると1億 ÷ 7千万で

    約1.42本


    衝撃的や。(突然関西弁)

    信じられへん。(まだ関西弁)

    なにが信じられへんって2本に満たないっちゅうことですよ。(もうこのまま行きます)

    2本に満たないということは
    レンズ交換式カメラをレンズの交換をせずに使っている人がおるということや!

    なにしてくれてるねん!

    なんというアイデンティティ・クライシス。(意味不明)

    これはカメラに対する侮辱や。

    カメラが7000万台あるなら交換レンズは少なくとも1億4千万本ないとあかんでしょ。

    この記事を読んでるあなたもずばり標準ズームレンズ一本で済ませているか、安い単焦点レンズだけで写真を撮っているにちがいない。

    なんて、もったいない。

    ぼくが普段からあれだけレンズは複数本買えと言っているのに!(そんなしょっちゅう言ってない)
    とりあえずそんなあなたは私が書いた懇切丁寧な過去記事を読みましょう。
    一眼レフカメラ選び、初心者が失敗しない為の5つのポイント

    この重要な事実を報じないなんて日本のマスコミは偏向してますね。(`・ω・´)キリッっ
    どこかから圧力がかかって隠蔽されているんだきっと、うわなにをするやめr…(一人芝居)

    ということで今回の記事は公開データから衝撃的事実を暴くデータジャーナリズムでした(大げさ)

    とりあえずこの記事を読んでいてレンズ一本しか持っていない一眼レフカメラ・ミラーレスカメラユーザーのあなたはレンズを買いに行くこと。(何様)
    これから一眼レフカメラなどのレンズ交換式カメラを買う人はちゃんとレンズを2本以上買いましょうね。(やはり何様)

    まあキヤノンだろうが一眼レフだろうがトイカメラだろうが写真はこだわって楽しみたいものです。(大御所風ドヤ顔で)


    新聞社の未来はユニコーンにあるのか 米英データジャーナリストを比較する #未来メディア

    マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボと朝日新聞が共同でシンポジウムを開催しました。「メディアが未来を変えるには」というタイトルで、同ラボ所長の伊藤穣一さんやニューヨーク・タイムズのグラフィックエディター・アマンダ・コックスさんらを迎え、未来のメディアをめぐる議論が行われました。ぼくは動画ツイッターを通じてこのシンポジウムの様子を見ていました。論点は様々なものに及びましたが、興味深く思ったことに関してぼくがイギリスで勉強しながら感じたことをふまえながら書いてみます。

    NYTのユニコーンが講演
    このイベントのゲストのひとりは、ニューヨークタイムズ(NYT)でデータジャーナリズムに取り組むアマンダ・コックスさん。同社で彼女が関わってきたデータジャーナリズムの取り組みについてプレゼンテーションが行われました。しかし、そのプレゼン以上に興味深く思ったのが、伊藤穣一さんがアマンダさんのことを「ユニコーン」と称したことです。
    Joi and Amanda
    写真:左・伊藤穣一さん、右・アマンダ・コックスさんMITメディアラボ×朝日新聞シンポジウムアーカイブ動画よりキャプチャ

    「数学をすごくよく分かっていて、コンピュータも分かってジャーナリズムも分かる。英語ではユニコーンと呼んでいます」と統計学の修士号をもつアマンダさんについて伊藤さんはこう語りました。
    そして「ほとんど世の中に存在するかどうか分からないような、魔法な、こういう人たちをどれだけ自分たちのニューズルームに集められるかがたぶん今の新聞社の課題だと思う」とのこと。

    伊藤さんによれば、アメリカではコンピュータとデータを駆使するデータジャーナリストは少ないながらも増えてきているらしい。そして、伝統的なメディア企業の中に数学、統計学、プログラミングを学んできた人たちが入ってきており、彼らと数学が嫌いな典型的文系ジャーナリストの共存が迫られている。そのため定量、定性、その両方を兼ね備えたジャーナリストの養成が必要だそうです。

    たしかに、この手の人材の育成は最近のジャーナリズム・スクールのトレンドです。伊藤さんいわくアメリカでこういったデータジャーナリズムを教えているのは、コロンビア大学や、ノースイースタン大学。イギリスでも同様で、ぼくが所属するカーディフ大学でも今年からコンピュテーション・ジャーナリズム・コースを開設します。プログラミングやデータサイエンスを学ぶ理系的なジャーナリズムコースです。

    しかし、統計学やプログラミングを理解できるジャーナリズムのプロフェッショナルと聞くと、まさにユニコーンのようで存在が疑わしく思えてくるほどです。
    本当にこれからのジャーナリズムはそんな幻の人材が少しづつ増えてくるのでしょうか。

    こんなツイートも。

    たしかに漫画的な展開とも言えそう(笑)
    将来のことは分かりませんが、アマンダさんや、ネイト・シルバーのような統計学のプロフェッショナルがジャーナリズムの世界で活躍するのは、まだ例外的事例のように思います。これはジャーナリズムの世界で例外的だというのではなくて、データジャーナリズムの実践者の中でも例外的だというのがぼくの印象です。少なくとも、イギリスのデータジャーナリズムの実践者はそこまで統計学や数学を重視してはいないと思います。

    英国でデータジャーナリズムを切り開いてきたスターたち
    以前イギリスのデータジャーナリズム先駆者たちにインタビューさせていただいたことがあります。
    例えば、バーミンガム・シティ大学でデータジャーナリズムを教えるポール・ブラッドショウ氏は特に統計の勉強を特別にやったことはないと言います。強いて言えばプログラミングはもともと趣味で好きだったことが、データジャーナリズムの実践で役立ったそうです。
    また2013年のデータジャーナリズム・アワードを受賞したクレア・ミラー氏は、統計やスプレッドシートの扱い方については短期のワークショップで学んだ程度。『データジャーナリズムの始め方』という本を出すほどのベテラン・データジャーナリストですが、けっきょくデータの扱いは多くが独学だと言います。
    また英国の公共放送BBCでオンラインのデータジャーナリズム(BBCでは特にビジュアルジャーナリズムと呼ぶ)を担うジョン・ウォルトン氏によると、BBCに統計の専門家はひとりもいない、とのこと。データを取り扱う専門家ということでは、情報公開請求(FOI)のプロフェッショナルがいるだけだそうだ。

    三人とも統計の基礎的な知識はあるそうですが、特に専門的に勉強したことはないようです
    (このイギリスのデータジャーナリストの方々への取材はJCEJの調査の一環で行いました。詳しい記事はこちらこちらのシリーズをご覧ください)

    文系でもデータジャーナリストになれる?
    さらに、データジャーナリズムを支えるマインドセットには、統計学やプログラミングよりも社会科学が根底にあるという指摘もあります。
    こう主張するのは、サンディエゴ州立大学・准教授のエイミー・シュミッツ・ワイス氏。
    彼女は、アメリカ・テキサス大学ナイトセンターが主催したデータジャーナリズム・コースの講師のひとりです。
    エイミーさんによれば、データジャーナリズムは、ストーリーが何か、それが何故ストーリーになるのか、どのようにデータがそのストーリーを描き説明するのに役立つのかを見いだすことだと言います。そして社会科学も、変数を措定しながら社会現象のパターンや傾向を研究することにあり、親和性が高いのだそうです。

    どう思われますか。
    社会科学であれば、まだジャーナリストの中にその分野のバックグラウンドを持つ人は多そうです。
    エイミーが指摘するような社会科学の勉強をしてきた人は文系の中で一部ではあるかもしれませんが、数学・プログラミング・ジャーナリズムの全てをマスターしたユニコーンよりはずいぶん現実的な気もします。

    そして、ぼくがインタビューしたイギリスのデータジャーナリストたちに共通する言葉は、"teach myself"や"learn from my colleagues"です。つまり自力で勉強したり、新しいことは得意な同僚から学ぶということ。結局はデータジャーナリズムもジャーナリズム。これまでと全く異なる新しいバックグラウンドの人材ももちろん歓迎すべきですが、伝統的なジャーナリストがいかに新しい知識・技術を受け入れていくかが鍵のようにも思います。

    ちなみにぼくがデータジャーナリズムに興味を持ったのはこのツイートの通り。過去記事にも書きました。


    未来メディアのシンポジウムはとても面白かったのでぜひアーカイブの映像などご覧ください。

    関連記事:ジャーナリズムをネットで学ぶ時代がきた #MOOC #ijf14
    関連記事:【要保存】データジャーナリズム リンク集


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    プロフィール

    Akira Oda

    Author:Akira Oda
    尾田章
    2013年9月よりカーディフ大学インターナショナル・ジャーナリズム修士課程(Cardiff University, MA International Journalism)に在籍。
    関心:データジャーナリズム、ドキュメンタリー、写真、計量政治学、英語学習、オーケストラなど
    Email: OdaAあっとcardiff.ac.uk ("あっと"を@に変えてご連絡ください)





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