2013-08

    データジャーナリズムを志してイギリスへ #ddj

    今回の記事はデータジャーナリズムの紹介と、データジャーナリズムを学べる無料オンライン講座(8月12日から!)について。

    学部と大学院の勉強をつなぐもの
    僕の学部時代の専攻は政治学でした。中でも計量政治学という政治現象を統計学的手法を用いて研究することに熱意をもって勉強していました。大学院ではうってかわってジャーナリズムの勉強をするのですが、学部時代に学んだことを活かしていきたいと思っており、「データジャーナリズム」という分野に特に興味を持つようになりました。
    データジャーナリズムとは簡単に言えば、データを分析することでニュースを発見し報道することです。僕は学部時代に計量政治学を学びながら、データを分析し政治現象をめぐる仮説を立てそれを実証する力を養いました。この力をデータジャーナリズムの分野に応用できるのではと考えています。
    計量政治分析入門The Data Journalism Handbook

    英米に遅れをとる日本のデータジャーナリズム
    データジャーナリズムという言葉が使われるようになったのはここ数年のことで、新たな調査報道の手法として注目されています。近年データジャーナリズムが盛んに取り上げられるようになった背景には、社会のデジタル化が進み多くのデータが蓄積されるようになったこと、またそれを分析する統計解析ソフトが発達したことが挙げられます。近年発達した手法であるために、まだ日本の報道現場では実例が少ないのが現状です。データジャーナリズムの実践には、伝統的な取材手法に加え、データを集め、分析し、それを効果的な形で可視化するスキルが必要になります。しかし、それらの技能を学ぶ機会は日本にはまだまだ限定的にしかありません。
    一方イギリスやアメリカでは、データジャーナリズムの実例が豊富なうえに、データジャーナリズムの実践力を身につけるためのワークショップが活発に開かれています。またネット上でも英語であれば、データジャーナリズムに関する情報をたくさん見つけることができます。これらの事情を鑑みてデータジャーナリズムを学ぶことに適した環境を求め、イギリスの大学院に進学することを考えるようになりました。

    データジャーナリズムを全世界どこからでも無料で学べるコースが開講
    いま僕が英語を勉強している理由のひとつは、英語で提供される教育機会を活用出来るようになりたいからです。そして9月からはいよいよ大学院でジャーナリズムについて英語で学ぶことになります。
    しかし、何も大学院が始まるのを待たなくても、学ぶ機会は世の中にあふれています。今回このブログでご紹介したいのは、そのひとつ、無料オンライン公開講座MOOCです。

    こんなニュースが入ってきました。
    knight center news

    ニュース元はKnight Center for Journalism in the Americas(以後ナイトセンター)というアメリカのジャーナリズム支援団体。データジャーナリズムを無料で学べるオンライン講座(通称MOOC,Massive Open Online Course)を開講することを発表しました。

    5週間にわたってアメリカのプロフェッショナルの講師たちがオンラインで講義を行う予定になっています。受講者は、講義のビデオを見たり課題のリーディングを読んで、内容理解を問うクイズに答え、掲示板でのディスカッションをこなすことになるようです。非常に面白そうなので、僕もさっそく受講登録しました。参加者の自己紹介をするページを見てみると参加者の出身は様々。世界各国から注目が集まっていることを窺い知れます。

    このコースを紹介する日本語の記事( 最新のメディア手法「データジャーナリズム」の無料オンライン公開講座がスタート! )も出ています。
    この記事の著者の方がFacebookで日本語用のスタディ・グループを作っていらっしゃいます。受講される方はぜひこちらのグループにも参加してみてはいかがでしょうか。

    イギリスの著名ジャーナリストたち
    ナイトセンターはアメリカの団体なので講師は全員アメリカ人なのですが、講義の参考資料に目を通してみるとイギリスの有名なジャーナリストのブログやビデオが紹介されていました。例えばPaul Bradshaw氏の、Online Journalism Blogというブログからデータジャーナリズムに関する記事(“The inverted pyramid of data journalism”)が紹介されていました。
    実はこのPaulさんとはスカイプで少しだけ話したことがあります。というのもPaulさんはデジタルジャーナリズムの草分け的存在として有名であると同時に、イギリスのBirmingham City UniversityでOnline Journalismという修士過程のコースリーダーを担当されているのです。Paulさんは尊敬するジャーナリストのひとりで、彼が統括する修士プログラムも非常に魅力的だったので、大学院受験の際はそのコースにも出願しました。そして面接を受けさせてもらいました。色々と悩んだ末にけっきょくカーディフ大学への進学を選びましたが、その面接は非常に刺激的なもので良い経験でした。もし万が一、イギリスでジャーナリズムを学びたくてこのブログを読んでいる方がいらっしゃいましたら、Birmingham City Universityも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

    また参考資料の中にはSimon Rogers氏の動画も紹介されていました。

    Simonさんはおそらくデータジャーナリストとして世界で最も有名な人ではないかと思います。以前までイギリスの新聞社GuardianでNews Editorとして働き、Datablogを立ち上げその編集を担当していました。現在はTwitter社でData editorとして活躍されています。

    今後もデータジャーナリズムの具体例や、学んだことについて記事にしていこうと思います。


    カーディフにて大学院進学準備中

    イギリスにやってきて1ヶ月が過ぎました。
    海外で生活すると今まで経験したことのないようなことが頻繁におこり濃密な日々です。その体験を少しづつブログで記録・発信していこうと思います。

    カーディフ Cardiff
    まずは今イギリスのどのあたりで生活しているのかについて。

    イギリスの英語表記はUK(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)です。この表記をそのまま日本語に訳すと「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」。つまり複数の国からなる連合王国です。構成している国は4つ。イングランド(England)、スコットランド(Scotland)、ウェールズ(Wales)、そして北アイルランド(North Ireland)。
    僕が今生活しているのはウェールズ、そこの首都であるカーディフ(Cardiff)という街です。
    イギリス地図
    地図はhttp://www.mapsofworld.com/united-kingdom/united-kingdom-political-map.htmlから引用し編集

    IMG_9627.jpg
    カーディフのシティセンター。竜が描かれたウェールズ国旗が掲げられています。

    進学準備コース Pre-sessional Course
    今、そしてこれから約1年通うことになるのが、カーディフ大学(Cardiff University)です。
    IMG_0685-2.jpg
    写真は大学のメインビルディング

    僕は9月からこの大学の修士課程でジャーナリズムの勉強をします。いまはその大学院での勉強に備えて、Pre-sessional Course(プリセッショナルコース)という留学生用の進学準備コースに在籍しています。7月から始まり全部で10週間あります。5週間が終わり、ちょうど折り返しに入りました。
    学生の専攻はバラバラで、一番多いのがビジネスに関連した学問。ロジスティクスや国際貿易、会計などの専攻が大半のようです。自分の専攻がジャーナリズムだと言うと、「ああ、カーディフはジャーナリズムで有名だよね」と言ってくれる学生が多いです。自分の専門以外の評判までよく知ってるんだなと、すこし驚きました。
    出身国別で見るとほとんどが中国人。ぼくのクラスは全員で13人で、日本人は自分ひとり、あとは中国人が10人、タイ人が2人です。
    似顔絵紹介
    授業初日にお互いの似顔絵や紹介文を書いて教室に張り出しています。愉快な仲間たちです。
    ほかのクラスには韓国、ブラジル、中東(イラクやサウジアラビアなど)出身の学生も。

    修士課程では、授業に出席し、たくさんの本を読み、他の学生や教授と議論し、レポートやエッセイを書かなければなりません。そしてそれら全てが英語で行われます。そのため、いま通っているコースでは、これらの技能を身につけるための授業や課題が出ます。例えば、アカデミックな英語の文章の特徴やルールを学んだり、講義を聞いてノートをとる練習などをしています。また簡単なリサーチ(研究)にも挑戦しており、仮説を立てそれを検証するレポートを提出。さらにその内容をプレゼンテーションで発表しました。課題をこなす過程で大学の図書館やITルームの使い方も覚えることができました。

    また、プリセッショナルコースに通う良さは、大学の勉強に必要な英語力を身につけるだけでなく、大学や街の生活に慣れることにあります。地元のスーパーで買い物をしたり、自炊したり、パブに飲みに行ったり、携帯の契約をしたり、銀行口座を開いたり。普通の生活でも国がちがえば戸惑うことも多いのですがだいぶ慣れてきました。
    IMG_0578.jpg
    地元のパブで食べたフィッシュ&チップス。イギリスの食事はよくまずいと言われますがこれはとても美味しかったです。

    勉強しつつたまには遊びながら、9月からの生活に備えようと思います。


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    プロフィール

    Akira Oda

    Author:Akira Oda
    尾田章
    2013年9月よりカーディフ大学インターナショナル・ジャーナリズム修士課程(Cardiff University, MA International Journalism)に在籍。
    関心:データジャーナリズム、ドキュメンタリー、写真、計量政治学、英語学習、オーケストラなど
    Email: OdaAあっとcardiff.ac.uk ("あっと"を@に変えてご連絡ください)





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